今回紹介する本は、土居正博さんの著書「教師のNG思考」です。
教育の世界には、絶対的な正解はありません。
それは教師一人ひとりに個性があり、子どもたちも一人ひとり違うからです。
しかし「不正解」は存在するのではないかというのが、著者の考えです。
本書では著書の土居正博さんの経験をもとに、教師が陥りやすい「NG思考」が6つ述べられています。
「教師のNG思考」に書かれてある避けるべき6つの思考とは?
教師の避けるべき6つの「NG思考」は、以下の通りです。
- 他責思考
- 手段の目的化思考
- 「横並び・安定・事なかれ」思考
- 極論思考
- 無自己分析思考
- 学校内価値過大視思考
この記事では、その中の2つを紹介します。
①他責思考
他責思考とは、何か物事がうまくいかない時、その原因を自分ではない他者などに求める思考のことです。
- テストの点数が悪いのは子どものせい
- 授業中発言がないのは子どものせい
- 子どもが挨拶をしないのは子どものせい
こう考えている人は、他責思考に陥っているといえます。
他責思考は対子どもだけではありません。
保護者から要求があったときに「あの親はモンスターペアレントだから」と考えてしまうのも、同じことだといえます。
他責思考の特徴としては「無意識のうちに陥ってしまう」ということです。
「子どものために」と思って一生懸命やっている教師ほど、上手くいかなかったときに、問題から目を逸らしてしまいます。
無意識下で他責思考になると、自分自身の指導を改善しようと思わず力量は上がりません。
そのため「教師は他責思考に陥りやすい」ということを自覚しておくことが大切です。
この章では、教師の他責思考の具体例を紹介した後、なぜ他責思考に陥るのかその原因についても述べられています。
②手段の目的化思考
「手段の目的化思考」とは本来「目的」を達成するための「手段」を「目的」のように捉えてしまう思考のことです。
例えば野球少年が「試合でホームランを打つ」ために「毎日200回素振りをする」とします。
その場合の「目的」と「手段」は以下の通りになります。
- 「目的」=「試合でホームランを打つこと」
- 「手段」=「200回素振りをすること」
しかし毎日練習に取り組む中で、いつからか「200回素振りをすること」=「目的」になってしまうことがあります。
このような「手段の目的化」は教育の世界でも多々起っています。
- 教師が言わないのが良い授業
- 音読の宿題は音読カードにハンコを押してもらうこと
- 板書にこだわること
これらはあくまでも「手段」であり「目的」ではありません。
本来の目的は子どもたちの力を伸ばし、成長させることです。
ではなぜ、このような「手段の目的化」に陥るのでしょうか。
それは「子どものため」と「教師の力量を高めるため」が混同されていることが大きな原因の1つだと述べられています。
この章では「手段の目的化思考」の具体例と様々な要因に加え、この思考を乗り越えるためには、どのようにすれば良いのかが書かれています。
「教師のNG思考」は「ハウツー本」ではない
本書では上記に書いた通り、それぞれの「NG思考」に対しての
- 具体例
- 要因
- 問題点
- 乗り越え方
について書かれています。
この本に惹かれた大きな要素としては、著書の土居正博先生が自らの失敗談を具体的に述べられているところです。
そしてその「NG思考」がまさに多くの教師が陥っていることだと感じました。
「解決方法」の提案を試みる書籍が多い中で、不正解を考えておくことで、子どものみならず教師も成長できるという考え方に感銘を受けました。
レベルの高い実践はすぐにできませんが、「不正解をしないようにしよう」という意識は今すぐにでも実践することができます。
何度読み返しても勉強になる、若手・中堅のみならず、教師の方全員に読んで欲しい本です。
「教師のNG思考」を読んだ人の感想
土居先生@masadoi413 の『教師のNG思考』読了。耳にドーベルマンぶら下がってるんじゃないかってぐらい読んでて耳が痛かった。
自分を見つめ直すとともに、土居先生のさまざまな葛藤から得る学びが非常に多かったです。
教育書読もうと思えるぐらいには前向きにはなってきた。よし、浮上して行こう。 pic.twitter.com/1qALuHCBO3
— 坂本良晶(さる@小学校教師) (@saruesteacher) March 15, 2021
『教師のNG思考』土居正博
土居さん@masadoi413 の本です。悪手の解説は初めてでした!
手段の目的化や極論思考に、
ついついなってるなとハッとしました🙇♂️何度か読み直したいです🤝#教育書 #小学校教員 #土居正博 pic.twitter.com/veu0CYxIMk
— GIANT KILLING/小学校教員 (@GIANTpridemm) April 11, 2021
土井先生@masadoi413「教師のNG思考」読書中
2.3年前まで良さそうな教育技術に飛びついてなにがよいのかよくわからなくなっていた
自分の中の軸になる哲学がやっぱ大事よね。
土曜の午前はゆったりしてて自分の軸をしっかりさせるのにぴったり。幸せな時間です☕️ pic.twitter.com/Ukz3J45HTW
— きょん@定時退勤 (@Kyon20720) April 10, 2021
土居さん @masadoi413 の「教師のNG思考」を読んでいる途中ですが、これはかなり面白いです。
明日からすぐに役立つというものではなく、そもそも自分はどういう教師でありたいのかって話。
共感・納得もするけどグサグサ来るところもあって、はっきりと言ってくれるところは清々しいくらい。 pic.twitter.com/WJOGzD9vEb— 松村英治@小学校教員 (@EijiMatsu725) March 6, 2021
「教師のNG思考」のまとめ
土居正博さんの著書「教師のNG思考」
まだ読んでいない方は、この機会にぜひ手に取ってみてください。
少しでも皆さんの教師人生のお力になれたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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